私は接客業に携わり、現場で多くのクレーム対応の経験をしました。
そのクレーム解決の成功事例から導き出した、誰でも対応が出来るケースバイケースでのキーワードをお教えしていきます。
それでは本文をどうぞ!
今回取り扱うクレーム対応について
まずクレームには段階があります。
ミス・トラブル発生⇒お客様からの指摘⇒初期消火(解決に向けての対応)⇒解決or炎上
今回はこの初期消火の際に使えるキーワードをお伝えしていきます。
また、昨今クレームにはこちら側にはあまり不備が無いのにイチャモンを付けるような、悪質なクレームがあります。
そういった悪質なクレームに対しての対処法は以下の記事でお伝えしています。
クレームの初期消火は非常に重要で、そこで言葉を間違ってしまうと無駄に時間を掛けたり、お客様の機嫌を損ねたりして解決できる物も解決できなくなってしまいます。
クレーム解決をするための近道となったり、炎上を避けるための『キーワード』を今回はお教えします。
もちろんクレームを出す側が気をつけるべき事もあります。
本来は正しい主張のハズなのに店側にクレーマー扱いされては意味がありません。
そうならないための方法は以下を参考にしてみて下さい。
クレーム対応必須のキーワード
今から挙げる言葉を頭に入れておくだけで、初めてクレーム対応をする人やアルバイトの方でもクレーム対応が出来るようになる方法を記載していきます。
最重要ワード
どんなクレームでも必ずと言っても良いほど使用するワードを挙げます。
クレームが起こった際にここにある言葉は、即座に口に出るようにしておきましょう。
『大変申し訳ございません。』
なんといっても一番使用する回数が多いワードかと思います。
ほとんどのお客様は不備に対して”謝罪”と”誠意ある対応”を求めています。
何が起こったとしても最初に必ず謝罪は行いましょう。
このたびはこのようなご不快の想いをさせてしまいまして、大変申し訳ございません。
わかったわかった。それで良いよ。
次からはちゃんとやってくれよ。
はい。このたびはこのようなご指摘を頂く結果となってしまいまして、大変申し訳ございませんでした。
↑最後にも必ず謝罪は必要です。
終わったときに謝罪をする事によって、最終的に気持ちよく対応してもらったという印象に変わります。
『おっしゃる通りです。』
同意・肯定の意味を伝えるときや落ち着いて欲しいときに使います。
指摘をする側の自分が言っている事を肯定してもらいたいという気持ちに対しての『おっしゃる通りです』は一番使いやすい言葉です。
これって普通ならもっと早く持ってくるんだよな!?
おっしゃる通りでございます。
↑このように間違っていない話に対しての相づちは必ずこの言葉を挟んでいきましょう。
こんなのおかしいだろ。
こんな店ありえねーだろ。
はい。おっしゃる通りです。大変申し訳ございません。
↑そうですよねー、そう思いますよねー。というニュアンスの意味でも使います。
『再発防止の為に従業員の教育に取り組むor今回の件を共有する。』
人為的なミスで物品や金銭が関わらない時に改善案としてあげることはこれしかありません。
クレーマーというのはなぜか、今後どうしていくんだ!?とかまた同じ事が起きるんじゃ無いのか!?とか先の事を詰めてくることが多いので、そんな時はとにかくこの言葉につきます。
あのスタッフの態度悪いんだけど!?
今後どうしていくんだよ!!
大変申し訳ございません。
再発防止の為に従業員の教育に取り組んで参ります。
従業員の態度や接客に関しての指摘の場合は、良くも悪くもこの対応しかありません。
過度なサービスや過剰な要求に応えることの無いように注意しましょう。
もしくは自分がアルバイトなどで教育できる立場に無い際は↓
あのスタッフの態度悪いんだけど!?
今後どうしていくんだよ!!
大変申し訳ございません。
再発防止の為に店長やスタッフ全員に今回の件を共有し、改善させて参ります。
過剰な要求には応えないようにしつつも、お客様の気持ちを逆なですることの無いように丁重に対応していきましょう。
『貴重なご意見として…』
お客様が出す『ご指摘』に対して、感謝の気持ちを伝えるときに使います。
本当は思っていなかったとしても、”わざわざ言って下さってありがとう”という気持ちを伝えます。
クレームに対して重く捉えていますという気持ちがこもったワードになります。
今回の件は貴重なご意見として本社の方に提示させて頂きます。
貴重なご意見、ありがとうございました。
↑間違っても『クレーム』という言葉は使ってはいけません。
”今後の為にありがとう”と伝えるためにも『貴重なご意見』と言えるようにしましょう。
どうせ面倒くさいこと言われたとか、俺が言ってることクレームだと思ってんだろ!?
俺だって接客業やってたからわかるんだ
今回の件は貴重なご意見としてちょうだいさせて頂きます。
↑悪質なクレーマー・ちょっと話が通じない人や酔っ払いの方は、なぜか自分がクレーマーである認識が無い方が多いです。そういった方を逆なでしないためにもこの言葉はしっかりと使える様にしておきましょう。
同意の為のワード
『おっしゃる通りです』が何に対しても使える最強ワードですが、それ以外でもお客様の立場に寄り添って考えますというニュアンスの言葉を伝えます。
『私共としても出来る限りはさせて頂きたい。』
”出来る限り”という言葉がポイントです。
これどうしてくれるんだよ。
私共としても出来る限りの事はさせて頂きたいと思っております。
今回の件に関しましては、新しい商品と交換させて頂きたいのですが、いかがでしょうか?
↑クッション言葉として使い、”対応するよ”という事を全面に出しつつも”出来る限り”という保険を掛けておくことで、過剰な要求は対応できないという事をそれとなく伝えます。
全額無料にしろよ。
私共としても出来る限りの事はさせて頂きたいと思っているのですが、
今回のケースですと返品もしくは交換で対応させて頂いております。
↑安易に過剰な要求を突っぱねるのでは無く、出来る事はさせてもらうと前振りをする事によって、よりお客様にそった回答となります。
『お客様のお気持ちは重々わかるのですが…』
過剰な要求を突っぱねる際に使います。
待ってた時間返せよ。
お客様のお気持ちは重々わかるのですが、今後このような事が二度と起きないように従業員の教育に取り組んで参ります。
↑”自分も客だったら同じ事を思うよ”という事を伝え、その上で出来る事はこうだよと提示します。
『申し訳ございませんが、そういった事は出来ません。』と機械的に答えるよりもいっそう誠意が伝わります。
毅然(きぜん)としたワード
クレーム対応は基本的にはお客様に寄り添い、親身になって出来る限りの事を最大限行うのですが、出来ないことももちろんあります。そんな時に使えるワードを挙げていきます。
また、ここから出てくるワードを使うべき相手のクレーマーというのは、酔った方や頭の良くない方が多いです。そういった方にいつまでも親身に対応しても解決しない場合もあるので、こういった言葉を使って押したり引いたりしましょう。
『私が現場の最高責任者です。』
クレーマーはなぜか上の人と話をしたがります。そういった時に店長・マネージャーがいなかったりすることも接客業では多々あります。そこですぐに上にクレームを上げていくと話が進まず堂々巡りになります。そんな時には、毅然と対応をしてみましょう。
どうなってるんだ、店長呼べ!
大変申し訳ございません、店長はただいま席を外しております。
現状では私が店舗の現場責任者となりますが、どうかされましたか?
↑他のスタッフがクレームを受け、店長がおらず先輩スタッフが対応する際はこのような感じで。
現状の最高責任者と伝えることにより、こちらの話に信憑性が増していきます。
お前じゃ話にならん上を呼べ!社長呼べ!
大変申し訳ございません、この店舗に関しては私が最高責任者となりますので、私が対応させて頂きます。
↑もちろんこちらのミスの度合いや状況によっては上長の判断や対応が必要な場合もありますが、過剰な要求の場合は、このように毅然な対応で問題ありません。
たとえば従業員の態度が悪いからと店長に『上司を出せ』という様な方は、その上司が対応しても更に『もっと上を出せ』と言ってくる方が多いです。本当に大事な事で上司と話したいのでは無く、多くの人にあたりたいというのがクレーマーの本音かも知れません。
『これが現状で出来る最大の対応です。』
悪質なクレーマーというのは言ったもん勝ちの精神でとにかくふっかけてくる場面が多いです。
出来る事は出来る、出来ないことは出来ないと断言することも大事です。
もっと誠意を見せろ!
申し訳ございませんが、これが現状で出来る最大の対応です。
クレーマーは『誠意』という言葉が好きなので(安くしろとか直接的な言葉を言うと刑事上、脅迫と取られる場合がある)、この言葉を多用してきます。
そういった場合に今回の件は謝罪しか出来ないなどと断言する事も重要です。
『これ以上は通常業務に支障をきたすので…』
あまりに腹が立ったクレーマーは同じ話を何度もしたり、あれやこれやと指摘を増やしてきます。
同じような話が数十分も続いた場合は、こちらからシャットアウトする事も出来ます。
だから○○なんだよ。全く最近の若いヤツはうんぬんかんぬん。それであーいったらこう言って、たらたらたらたら…。
申し訳ございませんが、出来ることは先ほどお伝えさせて頂いたとおりとなります。これ以上は通常業務に支障をきたすので、業務に戻らせて頂きます。
実際にはこのあとも続く事がほとんどですが、クレーマー側から話を本題に戻してもらえるので、余分な話が盛り上がる方の場合には使用します。
『そちらのお言葉は脅迫となる場合がございます。』
信じられませんが、いまだに声を荒げて怒鳴ったり、威圧的な言葉を使うクレーマーもいます。
そういった方には指摘をして一気に主導権を握りましょう。
土下座しろ!
俺はその筋のもんだからな。
そちらのお言葉は脅迫となる場合がございます。その場合は警察対応となりますが、よろしいでしょうか?
実際に私もこういった対応を何度もしましたが、一気に相手の熱が冷めたり、『おう、呼べや!!』と言っていたのに急に『そういうことが言いたいんじゃ無いんだよ、俺はな…。』と口調が優しくなる方しかいませんでした。
『警察を交えた第三者との話し合い』
話し合いで解決せず、話が一向に平行線の時の最終手段です。
何度も言うが、俺はその対応じゃ納得できない。
大変申し訳ございませんが、こちらもこれ以上のことはいたしかねます。これ以上は話も進まないので、警察を交えた第三者との話し合いとしてもよろしいでしょうか?
相手が威圧的な際は、抑止力にもなりますし、冷静な第三者が仲介してくれるメリットもあります。デメリットとしては、警察を呼ぶという事に対してお客様の熱が炎上する事への注意が必要です。
クレーム対応まとめ
いかがだったでしょうか?
私が今まで実際のクレーム対応で使ってきた便利な言葉を挙げていきました。
これらを効果的に使うことによって【誰でも対応が出来る・対応が安定する】というメリットがあります。
おそらく今回の言葉+現場での知識さえあれば、ほとんどのクレームは対応できるのでは無いかと思います。
また、今回はクレーム対応で使える言葉を挙げていきましたが、もちろん絶対に使ってはいけないNGワードもあります。以下に記載しているので、使える言葉とあわせて覚えていきましょう。
私自身、多くのクレームに悩まされ、多くのクレームに苦しむ方々を見てきた為、この内容がお役に立てればと切に願います。